衝撃(SnowMan沼)に耐えろ!

2021年1月23日 土曜日

 

前の週に行くはずだった横浜での現場が緊急事態宣言で中止延期になり、アイドルオタクの私は年明け早々途方に暮れていた。

そんな中、割と近くに住んでいるオタクの友人たちと久しぶりに集まろう!となり、車を1時間ほど走らせ(田舎に住んでいると"近く"の感覚が狂う)、友人宅でいつものようにピザを食べたりアイドルの動画を観たりして過ごしていた。

 

私は私立恵比寿中学を主現場としつつEBiDANやハロプロや…と浅く広く沼を広げつつある社会人DDオタクである。

この日集まったのはエビ中の現場で知り合った年齢と住む場所が近い、仲のいい推し被り3人。彼女らも例に漏れず割といろんな現場をかじっているオタクである。

 

それぞれの推しの素晴らしさやら顔の良さやらを語っていた中、ふと「面白いYouTuber教えてよ」みたいな話になり、それぞれが最近ハマっているYouTuberを紹介しあってたのだが、1人ジャニオタである友人が

SnowMan人狼、メンバー知らなくてもYouTubeの動画として面白いから見て!

と言い動画を流し始めた。

Snow Man 【超大作】人狼ゲームでガチバトル…あなたは人狼を見破れるか!? - YouTube

Snow Man 【超超大作】人狼ゲーム再び…本気の騙し合いで神展開! - YouTube

この時の私のSnowMan知識は、一般レベルかそれ以下くらいだった。

最近デビューしたグループ、何人かテレビで見たことあるな、ダンシンダイナマイッ…

そんな知識量でも、見せてもらった人狼の動画は2本ともゲラゲラ笑うほど面白かった。

そのあとも各々のおすすめYouTuber紹介やらなんやらが続き、その日はそれで楽しい1日として終わったのである。

 

 

 

 

2021年1月24日 日曜日

 

さて、オタク友達と遊んだのは土曜日だったので、当たり前に次の日は日曜日だった。

緊急事態宣言のさなか、現場のないアイドルオタクに予定なんてあるはずもない。昼頃ゆっくり起きて、布団の中で携帯をいじっていた。YouTubeで動画を観ようとするも、チャンネル登録してある人の動画は大体観たことのあるものばかりで、暇だなぁと思いながらYouTubeの画面を流していた時

「昨日のSnowMan?ってグループの動画面白かったな…」

とふと思い、検索欄に「SnowMan」と打ちこんでみた。

 

 

エッ??動画、多くね?????

 

 

これがファーストインパクト、第一印象、率直な感想である。

"ジャニーズ"ってゴリゴリに肖像権が守られておりネット上に画像や動画が公式で無料で上がるなんて考えられない…というイメージだった(私の中のジャニーズは12年前の嵐さんで止まっている)。おそらく今でもそうなんだろうけど、ていうか肖像権は守られなきゃいけないんだけど、とにかくネット上に写真や動画があるなんて思わなかった。

めっちゃ動画あるやん。そしてどれも面白そうやん。

メンバーの名前も2~3人しか知らない状態だったが、とりあえず興味本位で色々と見てみることにした。

 

そこからの記憶は正直に言うと曖昧である。

とにかく次へ次へ…と関連動画として出てくる動画を見漁った。時系列なんてわからないし、前編後編の後編から見始めたりもしたけど、とにかく見漁った。どの動画を観たかはあまり覚えていないが、その日に舘様のおにぎり動画を観たのはなぜか覚えている。この動画、新規ながらに"グループの良さ、メンバーの良さが詰まりまくってるな…"と思いながら観ていた。

Snow Man「リモートランチ会」舘さまがおにぎり作りました! - YouTube

あと自己紹介ラップはこの日5回くらい見たと思う。素晴らしいですね。

Snow Man「紹介RAP ~We are Snow Man~」(Summer Paradise 2019 at TOKYO DOME CITY HALL) - YouTube

その日は夜23時ごろまで、ほとんどの時間YouTubeにあがっている動画を見続けた。

さすがに11時間ほど動画を見続けたので、その日のうちにはメンバー全員の名前と凡そのキャラクターや立ち位置を把握するまでに至った。アイドルオタクをする時だけ、自分の脳年齢が17歳くらいになりIQが爆上がりする。これあるあるですよね。

そんなこんなで、私は12年ぶりにジャニーズの沼に足を踏み入れたのである。

 

 

11時間動画を見漁った中で、私にはジャニーズで初めての「推しメン」が出来た。

ジャニーズ界隈の方は「推しメン」じゃなくて「担当」というらしいということは知識としてあったが、なんだか気恥ずかしいし慣れないため今後も「推しメン」と呼ばせていただくが、その「推しメン」とはみんなの万能調味料こと塩こうじよりも向井康二さんである。

一人だけゴリゴリの関西弁なので最初に見た人狼の時から印象的ではあったが、動画を見ていくうちに彼の天性の愛され力やまっすぐさに、時折涙すら出そうになった。その時点でSnowManに出会って24時間チョイである。それでも伝わる魅力が彼らとYouTubeの動画に詰まっていた。

 

さて、推しメンが出来てしまった土日を終え、月曜からはいつも通り通勤し仕事をしていたが、以前と変わったのは昼休みがSnowManのことをひたすら調べる時間になったことである。

さすが大手事務所。追っても追っても情報が追い付かない。そして、供給が多い。

後から知ったがその週がリリース期だったのもあり、めちゃめちゃ雑誌に載ってるし、グッズもネットで買えてしまうし…

一番怖いのは「沼にハマりたての熱量Maxのオタクの見境なさ」だというのをこの週に思い知った。ネットでグッズを買い、CDを買い、本屋で雑誌を4冊くらい買い、Paraviにも入会した。

今までは「推しが載ってる雑誌は絶対買う」ポリシーだったけど、供給が多いためその勢いで買うと本屋の雑誌を買い占めかねないので、さすがにそこは見極め欲しいものだけ買うようにしよう…と決めたが、それにしても供給が多いな?そして、物価が安いな??ランダム制度が無いことにも純粋に驚いた。色々と異文化なものに触れて、新鮮な気持ちでいっぱいの一週間だった。

 

 

 

そしてそんな私が

SnowManが主演の映画が公開されている

ことを知るのは、その週の金曜日だった。

 

花金なのでとりあえずお酒を飲みながら、まだ観ていないSnowManの動画を観ていた。お酒を飲みながら観る推しメン最高だな~と思いつつ、次の土日も例に漏れず暇だったため、映画でも観ようかなと思い近所の映画館の上映スケジュールを調べていた。

そんな中、スケジュールの下のほうに見つけた「滝沢歌舞伎ZERO」「主演:SnowMan」の文字。

 

ナニコレ????聞いてないぞ???????

 

いくら色々調べていたとはいえ、1週間で得られる情報には限界がある。そんな中舞い込んできた「主演映画」の情報に、一気に酔いがさめた。滝沢歌舞伎なのに、SnowManが主演ってどういうこと?わからないけど、とにかくこの熱量がある中、行かないという選択肢はなかった。

公開は2020年の12月だったので、1月末に近所の映画館で上映していたのはほぼ奇跡としか言いようがない。半分本気で運命を信じながら、3000円のチケットをネットで購入した。

 

 

 

 

2021年1月30日 土曜日

 

午後3時、私は映画館に向かい、上映までの時間をスマホを観ながらつぶしていた。

この時点で、滝沢歌舞伎がどんなものであるか、私の知識はゼロである。予告動画すら観ていない。YouTubeにあった滝沢歌舞伎ベストシーンの動画も、その時はまだ観ていなかった。

沼に沈めるきっかけをくれたオタク友達に上映直前に連絡したら「これで予習しな!」と滝沢歌舞伎ZEROの音源を送ってくれたが、あまりにも直前だったため「復習に使うわ!」と返信し、ほんとに予習なし知識ゼロで滝沢歌舞伎ZEROに臨んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく衝撃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃を受けるって人生の中でそんなに頻発する出来事ではないと思うのだが、滝沢歌舞伎ZERO The Movie上映中の2時間半、衝撃が次から次へと私に殴りかかってきた。

終演後、リアルに頭がくらくらした。あれはなんだったんだ…私はいったい何を観たんだ…と若干うなされつつ、ふらつきながら映画館をあとにした。

 

凄かった。凄いって言葉じゃ足りないくらい、凄すぎたのである。

ダンスのスキルが高くアクロバットをこなすSnowManを「実力派」と謳うコメントはよく見かけていたし、実際その通りだなあとは思っていた。

滝沢歌舞伎を観たあとでは、「実力派」という言葉すら何か足りない気がしてしまう。

 

歌舞伎はもちろん、9人全員がバチバチに殺陣をしたかと思えば、女形として美しく舞ったり、空中で回り続けたり、変面を披露したり、最終的には大河ドラマ(と勝手に呼んでいる)が上映されたり…とにかく滝沢歌舞伎というものは文化を超えたエンターテインメントの塊だった。

2時間で出来るはずのない体験を2時間に詰め込まれ、観終えたあと少し残る疲労感は決してつらいものではなく、某夢の国で思いっきり遊んだ後に感じる疲れに似ていた。

この劇中のダンスやアクロバットに加え、歌も演技も歌舞伎もその他諸々も、全部SnowManさんがやっているのである。「実力派」なんてものではない。「多才」という言葉が一番しっくりくる。

この量とレベルのエンタメを、いったいいつ練習していつ撮影したんだ…と休みの日の心配をしてしまうくらいだった。

とりあえず観終えた後、一番最初に思った感想が

SnowMan全員、大河ドラマの主演をやってくれ」

だったことはここに記録しておく。9年間連続で。楽しそう。

 

2021年開始30日時点で恐らく今年イチの衝撃を受けてしまい、半ば叫びながらSnowManを紹介してくれたオタク友達に電話をすること1時間。上記の内容をひたすら何回も叫んでいた。改めて、電話に付き合ってくれたことに感謝しかない。

その時点で私は、次の日の予定も決めていた。

「明日も滝沢歌舞伎ZEROを観に行こう」

正直1回で受け止め切れられるエンタメ量ではなかった。初めてならなおさらである。

1回目で衝撃を受けつつ推しメンの立ち位置等をある程度把握したうえで、2回目を観に行くことは映画館を出た瞬間から決めていた。

「名古屋の映画館は音響がよくてオススメ」

という情報をその日の午前中に得ていた私は、ビッタビタの余韻の中夢見心地で帰宅し次の日名古屋の映画館で上映される滝沢歌舞伎ZEROのチケットを予約し、眠りについた。正直あまり寝れなかったけど。

 

余談だが、結果滝沢歌舞伎ZEROは合計3回観た。

田舎なので近所の映画館では上映期間が少し後ろにずれ込んでいたおかげで、平日に午後休をとり3回目も観ることが出来た。2回観て受けた衝撃を思い出しつつ、広い視野で冷静な視点で観れたので短期間ではあるが自分なりに全力で滝沢歌舞伎ZEROを楽しめたと思う。

まだ滝沢歌舞伎を観たことがない方には、初回は全く予習なしで臨むことを全力でオススメしたい。この衝撃を一人でも多くの人に味わってほしい。

 

 

 

 

正直、自分がジャニーズにハマるなんて思いもしなかった。

アイドルオタク自体はもう10年近くになるが、エビ中ももクロ、超特急という所謂スターダスト界隈のオタクだったため、ジャニーズに対してはむしろ「大手事務所はテレビたくさん出れていいなぁ」「実力あるから推しグルも出てほしいなぁ」など、羨望と若干の妬みの感情すら持っていた。

ほかにも色々と偏見もあったのだが、そんな私がYouTubeSnowManに出会い、パフォーマンスに全力で取り組む姿、グループとメンバーを本気で愛する姿、企画に本当に楽しそうな姿を見て

事務所とかなんだとか関係なく、「アイドルある今を楽しんでいるアイドル」って最強だ

と、心から思えたのである。

私がまだまだ知らない歴史もたくさんあるのだろう。下積み時代にもいろんなことがあったのだろう。それでも「今」を楽しんでくれているアイドルの姿って、こんなにも希望で救いになるんだと、改めて感じたのである。

 

こんな状況下で昨年はアイドルオタクも楽しいことばかりじゃなかったけど、今年に入り素敵なグループと素敵な推しメンに出会えて、今は本当に毎日が楽しい。

もっと早く出会いたかったな…と思わなくもないが、きっとこれからもっと楽しいことがあるんだろうなというワクワク感をSnowManには与え続けられている。

 

とりあえず次はファンクラブに入会して、名古屋で行われる滝沢歌舞伎当選に向けて、善行を積んでいこうと思います。